森猫日記

2009-04-16

[][]思い込み:方針に従っていれば免責されうるか? 22:19 思い込み:方針に従っていれば免責されうるか? - 森猫日記 を含むブックマーク


Wikipedia:井戸端/subj/情報開示の対象について

に、以下のようなコメントが寄せられていました:

Wikipediaの基本方針に従って行動している限り、名誉毀損・信用毀損等の責任を問われることは(皆無ではないにしろ)ほとんどないと思っていましたので、今回の件はちょっと意外です。

2009-04-16T08:35:12時点におけるDwy氏の書き込みより

http://ja.wikipedia.org/w/index.php?diff=25406879&oldid=25405002

ええと、ウィキペディアの方針に従っているからといって、免責されると期待してはいけません。

たとえば、「両論併記」すべきだからといって、日本国における名誉毀損・信用棄損・業務妨害に当たる記述を行えば、その点に関しては、「ウィキペディアの方針に従ったまでだ」という申し開きは(たぶん)聞いてもらえません。

あるいは、Wikipedia:検証可能性 に基づいて、週刊誌に「こんなうわさがある」と書いてあったから出典明記した上で「○○週刊誌に、こんなうささがある」と加筆した場合、最低限でも

当該情報が真実であるか、または発信者が真実と信じるに足りる相当の理由があること

が求められます。つまり、たとえ「ウィキペディアの基本方針」に従っていたとしても、日本国内に居住している人には日本法が及びますから、「真実性(又は相当性)」をも満たす記述でなければ、アウト!となる危険は十分にあるのです。

なお、上の文章は、以下のプロバイダ責任制限法からの抜粋です。

(2) 名誉毀損の観点からの対応

特定個人の社会的評価を低下させる誹謗中傷の情報がウェブページ等に掲載された場合には、当該情報を削除できる場合があるが、以下の3つの要件を満たす可能性がある場合には削除を行わない。

  • ア)当該情報が公共の利害に関する事実であること (例)特定の犯罪行為や携わる社会生活上の地位に基づく行為と関連した情報が掲載されている場合
  • イ)当該情報の掲載が、個人攻撃の目的などではなく公益を図る目的に出たものであること 特定個人に関する論評について、論評の域を越えて人身攻撃に及ぶような侮辱的な表現が用いられている場合には、この要件に該当しないことになる。
  • ウ)当該情報が真実であるか、または発信者が真実と信じるに足りる相当の理由があること 当該情報が虚偽であることが明白であり、発信者においても真実であると信じるに足りる相当の理由があるとはいえないような場合にはこの要件を満たさないことになる。

また、特定個人に関する論評について、その域を越えて人身攻撃に及ぶような侮辱的な表現が用いられている場合にも、当該情報を削除することができる。

それ以外の場合は、名誉毀損という観点からは、違法性阻却事由に該当するケースが多く、その要件となる公共性・公益性・真実性(又は相当性)についてプロバイダ等が判断することが難しいため、プロバイダ等が「不当な権利侵害」であると信じることのできる理由に乏しい場合が多いと考えられる。

なお、名誉毀損等の観点から違法情報であるか否かの判断がつかない場合であっても、プライバシーその他の観点から権利を侵害しているといえる場合もあるので、他の観点からも検討する必要がある。

プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン 24ページ

上の方の言葉でいえば

百科事典に有益な情報(=公共性・公益性を満たす)を「信頼できる情報源」の記述に基づいて(=真実性・相当性を満たす)記載している限り、名誉毀損は成立しない。 (Dwy氏の書き込みより)

ゴシップを書き込むのを「公共性・公益性」にかなう行為と認めさせるのは難しいでしょう。

「信頼できる情報源」の情報である限り、信用毀損罪でいう「虚偽の風説を流布」にはならない。(Dwy氏の書き込みより)

それは甘い。

新聞雑誌に書いてあるからと言って、それだけで「摘示された事実が真実であると証明された」とか「、仮に摘示された事実が真実でなくても行為者において真実と信ずるについて相当の理由がある」とは認めてもらえない、ということです。